世界経済

米国雇用統計で荒ぶる相場 見るべきポイントは?

毎週第1金曜日 夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半はアメリカの雇用統計がありますね。
アメリカの雇用統計の発表を受けてアメリカのダウが急伸、日経平均も連れ高したり、その逆のパターンも然りです。
今回はアメリカの雇用統計が市場に与えるインパクトと、注目すべき指標をまとめていきます。

米国雇用統計(Current Employment Statistics:CES)とは

アメリカ合衆国労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics:BLS)が毎月第1金曜日に発表する、雇用情勢の経済指標です。

家計調査と事業所調査からなる労働統計で全米6万世帯に対して行われる家計調査と全米の非農業部門の約16万の民間企業や政府機関に対しおよそ40万社の従業員4700万人のサンプルに対し雇用情勢についてのデータを毎月集計をしています。調査対象となる雇用は非農業部門の約4割程度に及ぶといわれています。

米国雇用統計の指標

米国雇用統計で発表される主な指標は以下の通りです。

非農業部門就業者数

農業を除いた産業での雇用者数となります。(経営者や自営業者、軍人などは除かれています)

平均時給

非農業部門就業者の平均時給
対前月比と前年比のパーセンテージが算出されます。

失業率

失業者/労働人口 × 100で算出される失業者の割合
毎月6万世帯に対して行われる家計調査によって産出されます。
(調査対象は16歳以上の生産年齢人口(学生などを除く))

その他

「週労働時間」「求人率」「退職率」「解雇率」「労働参加率」「長期失業率」「新規採用人数」「離職者数」「解雇者数」など
こうした雇用に関する統計が毎月発表されています。

米国雇用統計が市場にあたえるインパクト

米国雇用統計は物価の安定と雇用の最大化を目標とする連邦準備制度理事会(FRB)による米国の金融政策の重要な判断材料になります。
また、世界経済を牽引する存在であるアメリカの景気動向が分かる米国雇用統計は世界中から注目されており、発表後にはその結果を受けて市場に一気に反映されます。

指標の見方・ポイント

非農業部門就業者数

雇用状況の善し悪しが一目で判断できる指標です。
就業者数が増えると景気が良いと判断されドル高へ、就業者数が減ると景気が悪いと判断されドル安へ振れます。15万人以上増えていれば人口増加に対して雇用が増えていると判断されるようです。また、毎月20万人のペースで就業者が増加すれあ米国の経済成長目標を達成できるためこの数値を超えるか否かも注目されています。

平均時給

平均時給の向上は個人の消費につながるため注目されています。
この平均時給が継続的に伸び出すと、インフレ圧力が高まるため連邦準備制度理事会(FRB)が注視している指標のようです。
前年比が予想の3.1%を超えるようなことがあると利上げの可能性が高まるかもしれません。

失業率

失業率も雇用状況の善し悪しを判断する材料となりますが
就業者数に比べるとリアルタイム性が下がります。景気が悪くなった場合は求人率が下がっても雇用されている人間が即座に解雇されることは考えにくいためです。失業率の上昇は金利を含む経済政策の変更の判断材料として注目されています。
米連邦準備理事会(FRB)は完全雇用の水準を失業率4.5%以下としており
現状、2018年10月は 3.7%で完全雇用の水準となりこれ以上は望めない状態のため失業率が低下しても好材料としてとらえらる状況ではないようです。

基本的にマーケットは事前出されている予想を織り込んでいます。
予想にも注目しておきましょう。

雇用統計を受けた連邦準備制度理事会(FRB)の動向

株式市場にとって雇用統計の数値がよければ上がると思いがちですがFRBの動向も気にしなければいけません。
景気が過熱するとバブルを生じ、その崩壊時の反動が大きくなります。
そのため雇用統計を受けてFRBはインフレ圧力を抑えるために、好景気となった時点で、利上げによりある程度の調整を行います。この好景気かどうかを雇用統計で判断していると言われます。つまり、雇用統計が悪いと株式市場に悪い影響になりますが、良すぎても利上げ圧力が高まり株式市場に悪い影響を与えるのです。
今回の雇用統計では2018/12/7の雇用統計受けてをFRB2018/12/19の連邦公開市場員会(FOMC)で利上げに踏み切るかが大きなポイントとなりそうです。
利上げが行われることは株式市場にとってマイナスだといわれてます。利上げにより債権の利回りが株の利回りより良くなると資金移動が起きるためです。(今後記事に別途まとめます)
パウエルFRB議長が今後の利上げ方針について「中立水準と判断されるレンジの下限まであと少し」と発言していたため注目していきたいです。

まとめ

・米国雇用統計は米国の景気の善し悪しを判断する指標
・米国雇用統計は全世界が注目していて株式市場への影響が大きい
・非農業部門就業者数、平均時給、失業率に注目する。
・雇用統計の結果受けたFRBの動向に注意する

参考までに2018/11の予想値を記載しておきます。

実績値を追記しました。

雇用が悪いため利上げの観測が後退したという判断かダウ先物はプラ転しましたね。

来週の市場へのも注目していきたいです。

指標名 予想値 実績値
非農業部門就業者数 19.3万人 15万人
平均時給(対前月比) 0.3% 0.2%
平均時給(対前年比) 3.1% 3.1%
失業率 3.7% 3.7%